UFF®
超薄板ソーダライムガラス
超薄板ガラス(UFF®)は、自動車産業・ディスプレイ産業を中心に、40年以上に渡り多くの実績がある、高品質かつ高平坦度の超薄板ソーダライムガラスです。
製品概要
NSGは1978年にコルバーン式ガラス製造方法で世界に先駆けて、低コスト超薄板ガラス(UFF®:ULTRA FINE FLAT GLASS)を生産・販売し、LCD業界黎明期の大きなエポックとなりました。その後、1989年から製造方法をフロート式ガラス製造方式に変更し、より高品質・低コストのガラスを提供することで、LCD業界の発展に大きく貢献してきました。
また タッチパネル、カバーガラスなど多様化するニーズに対応するため、超薄板(厚み:0.28mm~)、化学強化ガラス等、様々な製品ラインアップを有しており、高品質かつ高平坦度の超薄板ソーダライムガラスを提供しています。
機能と利点
UFF®は以下のような特徴と利点を持つ超薄板ガラスです。
■ 豊富な板厚のバリエーション
0.28mm, 0.33mm, 0.4mm,0.5mm,0.55mm,0.7mm,1.1mm,1.3mm,1.8mm, etc.
■ 高品質(表面品質-低欠点)かつ高平坦度(表面平滑性)
■ 低コスト
■ ガラス加工
- 切断
- エッジ研削
- 研磨
- 化学強化
アプリケーション
UFF®は以下のような用途で使用されています。
・タッチパネルディスプレイ
・スマートフォン
・モバイルタブレット
・車両用タッチスクリーン
・コンピューターカバーディスプレイ
・TN/STN LCDディスプレイ
・フラットパネルディスプレイ用カバーガラス
・特殊な電子アプリケーション
用途例
液晶用ガラス基板(車載、家電等)
TN/STN用の液晶ガラスに、高品質かつ高平坦度のUFF®が使われています。
車載ミラー用ガラス基板
距離感を把握するためのルームミラーのガラス基板に、高平坦度(表面平滑性)を持ち、キズや異物の少ない高い外観品質のUFF®が使われています。ガラス表面に防曇や撥水、低反射などのコーティングを施すことができ、ミラーの品質の向上に貢献します。
タッチセンサ用ガラス基板(タッチパネル、タッチパッド)
タッチパネルだけでなく、タッチパッドにもガラス基板が使われています。
高平坦度を持つUFF®は、タッチパッドのスムーズな操作性だけではなく、他の素材にはない高級感のある外観を実現できるため、デザインの一部として機器に組み込まれています。UFF®は、独特の美しさと上品で洗練された外観を製品に与え、ユーザーに満足感を提供します。
カバーガラス(車載、スマートフォン)
カバーガラスは、液晶やメーターなど様々な機器を保護するために使われています。
UFF®は高平坦度で表面平滑性が優れているため、研磨することなく適用することができます。
機器のデリケートな部分を保護しながら、傷や汚れから守る高品質なカバーガラスを、UFF®は低コストで実現します。
アンチグレア加工
ガラスの表面を凹凸状に加工することにより光を散乱させ、映り込み像の低減機能を付与する技術であり、主にディスプレイ用ガラスの表面に施されます。特に車載ディスプレイ分野・スマホ分野では、高級感を演出するためにカバーガラスへの採用が進んでいます。また、液晶に表示する情報量の増加、液晶面積の拡大に伴い、そのニーズが高まってきています。
従来のアンチグレア加工の課題
従来のアンチグレアガラスでは反射光とともに透過光も散乱させてしまうため、白曇りによる画質の低下(高ヘイズ)やガラス表面の外光反射による映り込み(高グロス)が課題となっていました。
独自技術のアンチグレア加工(DS-AG)
NSGが開発した加工技術であるDS-AGは、映り込み像を低減しつつ(低グロス)、白曇りを抑制させること(低ヘイズ)を可能にしました。
UFF®やglanova®のガラス表面などにDS-AG加工を施すことにより、表面の外光反射映り込みを抑え、表示の視認性を改善することができます。
デインプル(ガラス表面の凹凸)のコントロールが可能
DS-AGはフォトリソグラフィの技術を用いてガラス表面にディンプルを形成します。これにより従来のエッチング方式のアンチグレア加工とは異なり、ディンプル一つ一つの形状や大きさのコントロールできます。DS-AGはディンプルサイズをコントロールすることにより、ギラツキや白曇りを抑制することができます。
■ 最大ディンプルを小さくする
ガラス表面のディンプルサイズがサブ画素サイズに近いか、15μmより大きい場合、視野に入る光量が大きくなりSparkle(ギラツキ)が発生しますが、DS-AGは最大ディンプルを小さくすることでSparkleを抑制できます。
■ 最小ディンプルを大きくする
ガラス表面のディンプルサイズが3μm以下の場合、白曇りが発生しClarity(透明度)が落ちますが、DS-AGは最小ディンプルを大きくすることで白曇りを抑制できます。
DS-AGの部分加工
DS-AGはフォトリソグラフィの技術を用いてアンチグレア加工をしているため、μm単位での部分的な加工もできます。これにより、加工をしている部分としていない部分の境界線をよりくっきりと表現できます。
防指紋型DS-AG
デインプルをコントロールすることで指紋抑制効果や表面機能の高寿命化にも貢献します。
払拭性の高いシルボン紙によるAF摩耗性を、接触角変化で評価。
往復幅:50mm
速度:40Hz(1分間に40往復)
加圧面積:1㎠(シルボン紙8枚重ね)
紙交換頻度:1K往復毎
荷重:375g、750g
この試験結果より、同じ摩耗条件における接触角変化は、防指紋型のDS-AGの方が既存AG(Ref.)よりも少ないことがわかりました。
この試験結果より、同じ接触角まで低下する時間は、防指紋型のDS-AGの方が既存AG(Ref.)よりも5倍以上延長されることがわかりました。(AFの高寿命化)
用語一覧
UFF®
UFF®(ULTRA FINE FLAT GLASS)とは、NSGの超薄板ガラスのことで、小型LCD用途を中心に多くの分野でご使用いただいてます。
エッジ研削/研磨
ガラス切断面の平らな部分をコバ面(小口面)といい、隅角部をエッジと言います。
ガラスをハンドリングする際に、切創しないようエッジを研削することができます。
化学強化加工
イオン交換することで薄板ガラス 表面に圧縮層を形成し、 ガラスの 強度を上げることができます。
TN/STN LCD
LCDとはLiquid Crystal Displayの略で、液晶ディスプレイを意味します。物理的構造の違いにより複数のタイプに分類されます。
・TN:Twisted nematic displayの略で、ねじれネマティクタイプのことです。
・STN:Super-twisted nematic displayの略で、ハイパーツイウトネマティックタイプのことです。
平坦度
ガラス表面の凸凹差(最も高い部分と最も低い部分の差)による面高さの歪みの大きさを意味します。
AG
AG(Anti-Glare)コーティングのことをアンチグレア(防眩)加工と言い、ガラスの表面を凹凸状に加工することにより光を散乱させ、映り込み像の低減機能を付与する技術であり、主にディスプレイ用ガラスの表面に施される加工です。
DS-AG
Down Stream Anti-Glare の略で、NSG独自技術のAG加工(アンチグレア加工)のことを言います。
グロス
ガラス表面への映り込みに対する防眩性を表す数値です。
値が低いほど映り込みが少なく、大きいほど光沢感のある表面になります。
ヘイズ
ディスプレイの白曇りの度合いを表す数値です。値が低いほど白曇りが抑制されます。
白曇りはディンプルサイズが3μm以下になる場合に発生しやすくなります。
ディンプル
コーティング加工によりガラス表面にできた凹凸の島のことをです。
AF
AF(Anti-Fingerprint)コーティングを意味し、ガラス表面を撥水加工することで、指紋や水分・油分の汚れを防ぎます。
よくあるご質問
サンプルを送付いただくことは可能でしょうか?
可能です。寸法・厚みなどの仕様に関してはお問い合わせください。
お問い合わせはこちら製品サイズはどのくらいでしょうか?
素板販売となりますので、お客様専用サイズで製造することもできます。ご希望の製品サイズをお問い合わせください。
お問い合わせはこちら厚みのラインナップを教えてください。
0.28~1.8mmの範囲で、ご要望に応じて相談させていただきます。
加工販売はできますか?
基本的には素板販売となっておりますが、切断・強化等を施した加工販売も行っております。お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら価格、納期は?
詳細はお問い合わせください。
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