低誘電ガラスフレーク
低誘電ガラスフレークは、高周波対応の樹脂成型品の寸法安定性、機械特性の向上に加え、伝送損失の低減を実現します。
製品概要
樹脂成型品の補強用に、NSGでは様々なガラスフィラーを取り扱っています。低誘電ガラスフレークは、サブミクロンの厚みを持つ鱗片状ガラスフィラーです。
低誘電ガラスフレークは、従来のガラスフィラーから、誘電率/誘電正接を大幅に低減した高機能ガラスフィラーです。低誘電ガラスフレークは、樹脂成型品の寸法安定性や機械特性の改善に加え、伝送損失を抑制することができます。
低誘電ガラスフレーク
低誘電ガラスフレークには、LLDガラスフレークとSLガラスフレークの2品種があります。LLDガラスフレークは、特殊な組成のガラスを適用することで、低誘電率、低誘電正接を実現しました。SLガラスフレークは、NSG独自の加工技術を応用し、シリカ成分を97%以上に高めたガラスフレークです。鱗片状ガラスフィラーの中では、突出して低い誘電率と低誘電正接を持ち、最高レベルの誘電特性を達成しました。
低誘電ガラスフレークのラインナップ
粒径:LLDガラスフレークは10, 160µm、SLガラスフレークは5, 30µmの平均粒径の標準サンプルがあります。NSGの独自の粉砕技術により、最大粒径を抑えたシャープな粒度分布に調整されています。
表面処理:樹脂、用途に応じた表面処理を準備しております。
樹脂成型品の低誘電率化、低誘電正接化
PBT樹脂に低誘電ガラスフレークを配合した場合、周波数20~40GHzの高周波領域で、成型品の誘電率、誘電正接を下げることができます。
寸法安定性と低熱膨張係数
サブミクロン厚さを有する高アスペクト比(厚み/粒径比)の鱗片状ガラスフィラーであるLLDガラスフレーク、SLガラスフレークは、繊維状フィラーのチョップドストランドと比較し、樹脂成型品の異方性と反りを低減します。また異方性を維持したまま、樹脂の成形収縮率を抑えることができます。
さらに、低誘電ガラスフレークは低い熱膨張係数を有しているため、樹脂成型品加工時の温度変化に対して高い寸法精度を実現します。
低誘電ガラスフレークの用途例
高周波通信用の樹脂成型品に幅広く適用可能です。
・高周波通信を利用する製品・部品の筐体、レドーム、コネクター、アンテナ等
・基地局、スマートフォン、PCなどの高周波部品に使用される高周波対応のリジッド基板、フレキシブル基板等
用語一覧
誘電率(Dk: dielectric constant)
誘電体を電場に置いたときの分極のしやすさ。
誘電正接(Df: dissipation factor)
誘電体内での電気エネルギー損失の度合いを表す数値。
熱膨張係数(CTE: coefficient of thermal expansion)
温度の上昇に対する材料の膨張の割合(ppmで表記)
Eガラス
アルカリ成分を実質的に含まない電気絶縁性に優れたガラス。
アスペクト比
低誘電ガラスフレークの粒径を低誘電ガラスフレークの厚みで除した数字。粒径/厚みのことを指します。
よくあるご質問
サンプルを送付いただくことは可能でしょうか?
可能です。詳細はお問い合わせください。
お問い合わせはこちら表面処理は可能ですか?
樹脂、用途に応じた処理を準備しています。
粒径を変更することはできますか?
可能です。詳細はお問い合わせください。
お問い合わせはこちら厚みを変更することはできますか?
まずは、優れた寸法安定性、強度特性を発揮する、標準厚み品(1µm未満)にてご検討ください。
価格、納期は?
詳細はお問い合わせください。
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