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超薄板ガラス

glanova®
化学強化用超薄板ガラス

化学強化用に開発された、高強度ガラスです。各種ディスプレイやスマートフォン等の電子機器のカバーガラスに最適で、軟化点が低いため、加工しやすく、CO2削減にも貢献いたします。

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製品概要

glanova®は車載CIDやクラスター、電子機器等のカバーガラス用途として最適な化学強化用超薄板ガラスです。国内外の自動車産業や液晶ディスプレイ業界で幅広く採用されています。可視光透過率は90%以上あり、ディスプレイの発色を忠実に再現します。
独自開発のガラス組成による、低コストなアルミノシリケートガラス(glanova®)は、熱成型に必要な温度がソーダライムガラス(UFF®)とほぼ同等の約750℃でありながら、優れた化学強化特性を備えています。高い耐衝撃性を持ち、美しく高級感のあるカバーガラスを低コストで実現します。
glanova®はリサイクルに関する第3者認証機関であるSCS Global Serviceの認証を取得している環境にやさしい製品です。

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機能と利点

glanova®は以下のような特徴と利点を持つ超薄板ガラスです。

■ 豊富な板厚のバリエーション
0.33mm~2.0mm
■ 高品質かつ高平坦度
■ 低コスト
■ 特別なガラス組成
優れた化学強化特性を発揮
■ 高い光透過率
鉄含有量が低く、ディスプレイやスクリーン印刷で優れた演色性が得られます。
■ ガラス加工
- 切断
- エッジ研削
- 研磨
- 化学強化
- コーティング 
- 曲げ加工

アプリケーション

glanova®は以下のような用途で使用されています。

・タッチパネルディスプレイ
・スマートフォン
・モバイルタブレット
・コンピューターカバーディスプレイ
・ソーラーパネル
・フラットパネルディスプレイ用カバーガラス
・車両用タッチスクリーン(CIDやクラスターなど)
・自動車用外装用ガラス
・特殊な電子アプリケーション

物理特性

主な用途

超薄板でありながら高強度なglanova®は主に各種ディスプレイなどのカバーガラスとして採用されています。
特に3D形状を求められる車載ディスプレイ分野では、熱成型がしやすい特徴を活かして国内外のお客様に高く評価されています。

 ・automotive interior(自動車インテリア)  
 ・one glass solution(静電容量式タッチパネル)

主な用途

製造方法

独自開発のガラス組成をフロート法により製造し、従来の製品よりもコストを抑えました。
日本製で高品質な化学強化用超薄板ガラスを安定して供給することができます。

製造方法

環境にやさしい製品

glanova®はリサイクルに関する第三者認証機関であるSCS Global Servicesの認証を取得しました。
ガラス原料の35%以上がをリサイクル原料で賄われています。
加えて、ガラスの軟化点が低いので熱成型時の熱量を少なく、CO2排出量を抑えられる環境にやさしい製品です。

SCS Global Servicesの認証マーク

SCS Global Servicesの認証マーク

軟化点が低く、熱加工が容易

glanova®の熱成形に必要な温度は約700℃で一般的なソーダガラスとほぼ同じです。
低い温度で熱成形による曲面形状を実現できるため、曲面が求められる用途に最適です。また、従来の化学強化用ガラスでは難しかった加工やデザインも、コストを抑えながらできるようになります。
また、glanova®は他社の化学強化用ガラス/アルミノシリケートガラス(下表_Glass A)に比べ、熱成型の際に必要な加熱温度を約100~150℃ほど低く抑えられます。そのため、約15~21%ほどの消費電力及びCO2排出量の削減に貢献することができます。

軟化点が低く、熱加工が容易
軟化点が低く、熱加工が容易

熱曲げ炉の断熱性能を改善しても、加熱温度差による電力消費量の比率は変化しません。

どのような断熱性能の炉を使用しても加熱温度が低い方が、消費電力は小さくなります。
そのため、加熱温度が100℃差で約15%、150℃で約21%の消費電力の差が生じます。

加熱温度差による電力消費量の比率

化学強化特性

化学強化とは、ガラス組成に含まれるナトリウムイオン(Na+)と、溶融塩中のカリウムイオン(K+)のイオン交換により、表面に圧縮応力を発生させる強化方法です。glanova®はソーダライムガラスに比べ、より化学強化の効果を得られやすいガラス組成を使った超薄板ガラスです。

化学強化特性
化学強化特性

glanova®は一般的なソーダライムガラスに比べ、より高度(高CS/DOL)の化学強化が実現できます。
※CS:Compressive stress(表面圧縮応力)
※DOL:Depth of Layer(化学強化層深さ)

高度(高CS/DOL)の化学強化

glanova®は一般のソーダライムガラスに比べ、そのより高度な化学強化特性により、4点曲げ試験においても高い破壊強度を示します。

アルミニウム含有率による特性  

化学強化前のガラスはアルミニウム含有率によってクラックの発生率が異なります。(当社調べ) 

glanova®のアルミニウム含有率は、他社の化学強化用ガラスより低く、ソーダライムガラスより高いです。
そのため、アルミニウム含有率が高い他社の化学強化用ガラス(下図Glass AとB)と比べて、化学強化前のクラック発生率は20%程度低いです。
また、化学強化後の破損時にガラス片が小さくなりすぎず、ガラスの飛散防止につながります。
高度な化学強化特性(CS,DOL等)も併せ持つため、化学強化用のガラスとして様々なアプリケーションに使用されています。

ビッカース圧子によるクラック発生率のシミュレーション

光学特性

可視および近赤外の波長領域において、glanova®の透過率はソーダライムガラスよりも高く、青みがないので印刷色を忠実に表現できます。

光学特性

アンチグレア加工

ガラスの表面を凹凸状に加工することにより光を散乱させ、映り込み像の低減機能を付与する技術であり、主にディスプレイ用ガラスの表面に施されます。特に車載ディスプレイ分野・スマホ分野では、高級感を演出するためにカバーガラスへの採用が進んでいます。また、液晶に表示する情報量の増加、液晶面積の拡大に伴い、そのニーズが高まってきています。

アンチグレア加工
アンチグレア加工

従来のアンチグレア加工の課題
従来のアンチグレアガラスでは反射光とともに透過光も散乱させてしまうため、白曇りによる画質の低下(高ヘイズ)やガラス表面の外光反射による映り込み(高グロス)が課題となっていました。

独自技術のアンチグレア加工(DS-AG)

NSGが開発した加工技術であるDS-AGは、映り込み像を低減しつつ(低グロス)、白曇りを抑制させること(低ヘイズ)を可能にしました。
UFF®やglanova®のガラス表面などにDS-AG加工を施すことにより、表面の外光反射映り込みを抑え、表示の視認性を改善することができます。

独自技術のアンチグレア加工(DS-AG)

低グロスによる映り込み抑制と、低ヘイズによる鮮明画像を両立させることができます。

独自技術のアンチグレア加工(DS-AG)

デインプル(ガラス表面の凹凸)のコントロールが可能
DS-AGはフォトリソグラフィの技術を用いてガラス表面にディンプルを形成します。これにより従来のエッチング方式のアンチグレア加工とは異なり、ディンプル一つ一つの形状や大きさのコントロールできます。DS-AGはディンプルサイズをコントロールすることにより、ギラツキや白曇りを抑制することができます。

デインプル(ガラス表面の凹凸)のコントロールが可能
デインプル(ガラス表面の凹凸)のコントロールが可能
デインプル(ガラス表面の凹凸)のコントロールが可能

■ 最大ディンプルを小さくする
ガラス表面のディンプルサイズがサブ画素サイズに近いか、15μmより大きい場合、視野に入る光量が大きくなりSparkle(ギラツキ)が発生しますが、DS-AGは最大ディンプルを小さくすることでSparkleを抑制できます。

■ 最小ディンプルを大きくする
ガラス表面のディンプルサイズが3μm以下の場合、白曇りが発生しClarity(透明度)が落ちますが、DS-AGは最小ディンプルを大きくすることで白曇りを抑制できます。

DS-AGの部分加工
DS-AGはフォトリソグラフィの技術を用いてアンチグレア加工をしているため、μm単位での部分的な加工もできます。これにより、加工をしている部分としていない部分の境界線をよりくっきりと表現できます。

DS-AGの部分加工

防指紋型DS-AG
デインプルをコントロールすることで指紋抑制効果や表面機能の高寿命化にも貢献します。

払拭性の高いシルボン紙によるAF摩耗性を、接触角変化で評価。
往復幅:50mm
速度:40Hz(1分間に40往復)
加圧面積:1㎠(シルボン紙8枚重ね)
紙交換頻度:1K往復毎
荷重:375g、750g

防指紋型DS-AG

この試験結果より、同じ摩耗条件における接触角変化は、防指紋型のDS-AGの方が既存AG(Ref.)よりも少ないことがわかりました。

摩耗条件における接触角変化
摩耗条件における接触角変化

この試験結果より、同じ接触角まで低下する時間は、防指紋型のDS-AGの方が既存AG(Ref.)よりも5倍以上延長されることがわかりました。(AFの高寿命化)

ディスプレイカバーガラス

CIDやクラスターといった車載ディスプレイは年々大型化し、形状も複雑になっています。glanova®はその強度と加工性を活かして、国内外の自動車産業や電子機器製造業界で幅広く採用されています。

ディスプレイカバーガラス

太陽光パネル

glanova®はその薄さと軽さに加え、高い強度と透過率を兼ね備えています。ペロブスカイト太陽電池モジュールへの量産実績もあり、太陽電池の性能を最大限に引き出します。

太陽光パネル

自動車用ガラス

自動車用の合わせガラスとして使用され、自動車の軽量化・燃費向上に大きく貢献します。

自動車用ガラス

ARグラス、VRゴーグル

透過率が高い点を評価され、ウェアラブル機器への採用も広がっています。

ARグラス、VRゴーグル

その他・カバーガラス

ウェアラブルウォッチ、スマートフォン、タブレット、パソコン等のタッチパネルやモニター部以外のカバーガラスとしても使用できます。

その他・カバーガラス
その他・カバーガラス

用語一覧

CS:Compressive stress (表面圧縮応力)

ガラス表面に発現する圧縮応力の大きさを示す数値です。数値が大きい程、割れの原因になるガラス表面のマイクロクラックの進展を防ぎます。

DOL:Depth of Layer (化学強化層深さ)

化学強化によるイオン交換がガラス表面からどの程度の深さまで行われているかを示す値です。

アルミノシリケートガラス

アルミノ珪酸塩を主成分として作られたガラスです。ソーダライムガラスに比べて科学的耐久性が高く、化学強化の効果をより発現しやすいことが特徴です。

軟化点

物質が軟化し、自重で変形し始める温度です。ガラスの曲げ加工の際には、軟化点まで熱する必要があります。

化学強化加工

イオン交換することで薄板ガラス 表面に圧縮層を形成し、 同じ厚みの通常のガラスの 5倍以上に強度をあげることができます。

CID

CID(Center Information Display)とは、自動車の運転席前面に配置されるカーナビ等の情報ディスプレイのことです。

クラスター

クラスターとは、自動車の運転席前面に配置されている各種メーターなどの集合体のことです。
同じような意味で、「メータークラスター」「センタークラスター」とも呼ばれることもあります。

AG

AG(Anti-Glare)コーティングのことをアンチグレア(防眩)加工と言い、ガラスの表面を凹凸状に加工することにより光を散乱させ、映り込み像の低減機能を付与する技術であり、主にディスプレイ用ガラスの表面に施される加工です。

DS-AG

Down Stream Anti-Glare の略で、NSG独自技術のAG加工(アンチグレア加工)のことを言います。

グロス

ガラス表面への映り込みに対する防眩性を表す数値です。
値が低いほど映り込みが少なく、大きいほど光沢感のある表面になります。

ヘイズ

ディスプレイの白曇りの度合いを表す数値です。値が低いほど白曇りが抑制されます。
白曇りはディンプルサイズが3μm以下になる場合に発生しやすくなります。

ディンプル

コーティング加工によりガラス表面にできた凹凸の島のことをです。

AF

AF(Anti-Fingerprint)コーティングを意味し、ガラス表面を撥水加工することで、指紋や水分・油分の汚れを防ぎます。

よくあるご質問

サンプルを送付いただくことは可能でしょうか?

可能です。寸法・厚みなどの仕様に関してはお問い合わせください。

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製品サイズはどのくらいでしょうか?

素板販売となりますので、お客様専用サイズで製造することもできます。ご希望の製品サイズをお問い合わせください。

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厚みのラインナップを教えてください。

0.33~2.0mmの範囲で、ご要望に応じて相談させていただきます。

加工販売はできますか?

基本的には素板販売となっておりますが、切断・強化等を施した加工販売も行っております。お気軽にお問い合わせください。

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各種コーティングはできますか?

glanova®への成膜、コーティング等の対応も可能です。詳細はお問い合わせください。

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価格、納期は?

詳細はお問い合わせください。

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